2017-10

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雑記

   
 某社が毎年恒例のように行なっている無料招待コンサート企画は大人気である。有名アーティストらが多数参加する。   
 コンサート会場には1000名が入れる。しかし、往復ハガキによる応募総数は実に100万件ほどで、その中から抽選により当選者が決まる。   
   
 抽選手続までの概略は次のとおり・・・。   
   
 広告宣伝部のスタッフ1名が、日々届く往復ハガキを専用のボックスに収める。累計では100万通ほどになるからボックスの数もハンパではなく、会議室をひとつ占拠してしまうのは仕方ない。   
   
 しばらくすると抽選日がやって来るから、先ほどのスタッフほか計3名ほどで手分けしてボックスの中から「エイヤッ」と適当に1000通を選び出して当選者とする。   
 ただ、そうして選んだ1000通の中には、なぜか往復ハガキのどこにも返信先/連絡先が書かれていない等の不備があったりもするので、一応、さらに追加して50通ほどを選び、それらには順位をつけておく(補欠当選者の選出)。   
   
 さて、しかし、今年も上のような手続きでよいかどうかと、打合せが行なわれた。   
   
 会議の席上、A君はこう発言した。   
   
 「届いて来る往復ハガキを担当するスタッフが不正をする可能性を排除したい。たとえば、自分やその家族・知人が或る特定の日にハガキを投函するならば、その翌日や翌々日あたりに、届いたものの中からそのハガキをピックアップすることはさほど大変なことではあるまい。そのハガキだけを分けて保管し、抽選時に当選ハガキとして混ぜることが出来てしまう。抽選作業には別のスタッフだけをあたらせるのが適当だと思う」   
   
 このアイデアは了承された。そして、抽選の際にハガキをピックアップする担当者は広告宣伝部に属さない者に協力してもらうこととなった。また、その担当者らは、自分が担当することについて抽選のときまで直属上司以外に対しては口外しないこと、また、「不正に加担しない」旨の誓約書にサインすること、というルールが定められた。   
   
 次いでB君はこう発言した。   
   
 「もっと完璧を期してはどうでしょう? 届く往復ハガキのすべてに連番を打つのです。ナンバーリングの道具があるから簡単です。それを番号順にボックスに収めていきます。そうして、抽選は、恣意的なことが出来ない形で当選番号を選ぶことにするのです」   
   
 確かに完璧そうではあるが、この意見は通らなかった。「入学試験や資格試験の願書受付ではあるまいし、そこまで手間をかけていられない。ただでさえ通常業務が忙しいのに、そんなことはやっていられない」というのが大方の意見であったし、「大きな当選金が出る宝くじの抽選会じゃないんだぞ」との言葉も聞かれた。   
   
 さらにC君の発言があった。   
   
 「厳正な抽選と言いますか、その、当選の往復ハガキを選ぶ段階で怪しいことが行なわれていないか、監視をすることも必要ではないでしょうか。警察官の立会いを求めるとか」   
   
 この意見に対しては、「それは警察の業務なのか?」という疑問の声が上がった。また、「たとえ警察が協力してくれるにしても、そのような業務だとちょっと申し訳ないものがあるし、そうすると謝礼としてビール券か何かを贈るのが適当だろうか」との意見も出たが、「公務員等にそういう謝礼を渡すのはやはりマズかろう、こちらだけでなく、先方も迷惑をこうむる可能性がある」との反論も見られた。   
   
 結局、抽選の様子は他のスタッフがビデオ撮影しておく程度とすることに落ち着いた。  
   
   
 ・・・と、以上はすべて架空のお話である。   
   
 さて、NHKの紅白歌合戦その他のコンサートや催しの会場に入れる聴衆/観衆の抽選はどのように行なわれるのであろうか。   
 だいたい上のような方法、すなわち、上のような会議経過となった場合の結論のような形によるのではないか。ただ、「放送受信料を支払っている世帯に属する人だけが当選の資格あり」との要件がある場合は、上のように選ばれた当選ハガキに書かれている応募者の住所や姓名について、受信契約者のデータベースと照合する必要が出て来る・・・ひとりでやりきるには憂鬱そうな作業ではあるが数人で手分けすればそう多くの時間もかかるまいと想像する。   
   
 が、少なくとも紅白歌合戦の入場可能者の抽選についてはこの想像は間違っていた。NHK総合テレビの「サラメシ」では抽選の仕方が紹介され、それを見て驚いた・・・と言うか、一種の脱力感および呆れ感が・・・。そこから窺えたのは・・・普通の民間企業ではやっていられないような人的エネルギーの投入の仕方、そして独特の人的コスト意識かなあ。人員なり、通常業務などなどに余裕があるのだなあとも思えた(電通の長時間労働問題への報道姿勢に厳しいものを感じるが、NHKからしてみると、なおのこと長時間労働が「悪」に映ってしまうのではないかと、うがった見方もしたくなる)。   
 「紅白歌合戦は国民すべてが関心を寄せる一大イベント。抽選もまた一大イベントなのだ」と言われればそれまでかも知れぬが(筆者はもう何十年も観ていない・・・10分とか20分とかは観ることあっても)、しかし、NHKの業務にあっては一事が万事、こんな調子なのではないかとの疑念も生まれ、徹底的な意識改革ならびに経営改革を期待するところである。   
   

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