2017-08

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・・・続き、もしくは、「その名演の裏には」

   
 前回の続きである、つまり、 "Shoot the Conductor..." という本の内容から。   
   
 著者であるブラシロウ氏はクリーヴランド管をやめてフィラデルフィア管にコンサートマスターとして移籍することとなった(1959年秋)。   
 新しいキャリアが始まった。・・・そんなキャリアの初期の頃のこと、氏は次のような経験をしている:   
   
 演奏中、指揮台のオーマンディの口から何かがこちらへ飛んで来て、自分の座っている椅子の下に転がったのである。氏は、それは歯か、あるいは(虫歯治療などで為された)歯冠ではないかと思った。   
 それを踏んでしまって破損させたりするのは避けたく思えたし・・・そこで、いずれヴァイオリン演奏の手が空いたときに拾えるようにと、その転がって来たモノを、足をつかって、自分の手が届きそうな位置へと移動させたのである。   
   
 その、床に転がっているものは茶色くて、虫歯かな、などと想像もめぐらせたのではあるが、オーマンディは首を振って "No, no, no" (そんなものに構わんでよろしい)のサインをして寄越す・・・しかし、氏はそのサインを誤解してしまったのだろうか、ともかく、依然としてその歯らしきものを破損させまいと注意を払った。   
   
 演奏の手を休めることが出来るようになったところで、氏は、この物体を拾い上げた(左手で拾ったものと想像される)。   
 それは歯などでなく、飴/ドロップ(いわゆる「ノド飴」の類)だったのである。すぐさま放り出したものの、手にはベトベトが付いてしまった・・・。そんな指のままで大切な楽器(高級なもので、しかも借り物として利用しているもの)の指板に触れるわけにもいかず、まずは指に唾をつけ、さて、次いでその指をズボンで拭くことも考えたのではあるが、氏の頭にひらめいたのは「こんなときのためにこそ、アシスタント・コンサートマスター職が雇われているんだ」ということであった・・・で、横に座っている同僚の背中で指を拭いたのであった(相手は、励ましの意味で背中をポンポンと叩かれていると感じたようではあったが・笑)。   
 こんな経験があって、氏は、オーマンディが、口の渇きへの対応策としてコンサート直前には飴/ドロップを口に入れていることに気づいたのだそうだ。   
   
   
  
   
 ・・・このエピソードから何か音楽的に有意義なことを教わるわけでもないのだが、ま、こういった話が自分にとっては面白いし、楽しめる。   
   

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クラシカルな某

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