2017-06

Latest Entries

セル関係のCDや本・・・

   
 この9月には、ソニー・クラシカルのレーベルから古い録音・古めの録音の何点ものCDが再発売されるようなのであるが、その中にはアイザック・スターンとセル/クリーヴランド管(コロンビア響)によるモーツァルトの協奏曲もある。この録音は、昔のアナログ盤ではともかくとして、CDではまだ手にしていないセル・ファンも案外と多そうに思うのであるが、今回の再発売では価格も手頃になっており、朗報と言えるのではないか。   
   
 新たなリマスタリングであるのか等、詳しいことは知らない。   
 それぞれの商品について、名盤かどうかの評価や、あるいは好みに合うものかどうかは別としても、懐かしいものが随分とあって一種の「心のときめき」を覚える人は多かろう。   
   
   
 ・・・・・・・・・・   
   
   
 さて、前回のブログ記事で紹介した、セルにも関係している本( "Shoot the Conductor..." )の内容について。   
   
 ペーパーバック版にて、68ページから110ページまでをまず読むこととした。この部分は、著者アンシェル・ブラシロウ氏がセル率いるクリーヴランド管に加わり(アシスタント・コンサートマスターを務めた)、そして、やがて同オーケストラを去るまでに相当する(氏はフィラデルフィア管へ移籍した)。   
 以前に紹介した別の本 "Tales from the Locker Room" の48ページから53ページにかけて紹介されている話と重複する部分もかなりある。で、そちらを読んでいる人にとって、今回の本ではセルについて「興味深い/面白い/愉快」と言えそうなエピソードには新たに接することは出来ないと言ってよろしいか・・・皆無ではないのだけれども。(このようなコメントになってしまうのは、筆者個人的には、セルについてでなく他のオケ・メンバーについてのことであるとか、オケのヨーロッパ演奏旅行中の列車での移動の有様とかには大して興味をそそられなかったからである・・・読み手によって、その辺りの感想は異なって来よう。)     
   
 ブラシロウ氏はクリーヴランド管での活動のほかに自らもクリーヴランド室内楽団なる小さな楽団を率いることがあったのだが、そのコンサートにセルがやって来ることも一度あったという。   
 というわけだからであろうか、セルは氏に向かって「指揮者であるには(指揮者になるには)、ピアノを演奏しなくてはならない」と言ったそうだ(この言葉の意味は、複数のパートや声部とそれら相互の関係を把握するのに必須、または有用・効率的であるということなのだろうか?)。この言葉に対して氏は、トスカニーニはチェロを演奏していたと切り返した。するとセルは、それは例外的ケースというものだと応じた。さらに氏は、モントゥーがヴィオラを演奏していたと述べたが、セルはまたも、それもまた例外的ケースであると断じた。そこで今度は氏は「オーマンディはヴァイオリニストでした」と続けると、セルは立ち去ってしまったという(さて、セルとしては「これだけ言っても分からんのか」と思ったのか、それとも、世にはそういう、セルの考えが当てはまらない例外的ケースがあまりにも多いことに観念してしまったのか)。   
   
   
 さて、1957年のクリークランド管のヨーロッパ・ツアーのことが語られている部分で、91ページにはゼルキンがベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏したと書かれているが、残されているコンサート記録資料によると、これは正しくはモーツァルトのピアノ協奏曲第20番ではなかったかとも思える(しかし、当初予定と実際とで、演目変更などあったのか、詳しいことは承知せぬが)。   
 このツアー中には、ゼルキンのほか、レオン・フライシャー、カザドゥジュ(カサドシュ)、シュヴァルツコップフらのソリスト・歌手も共演している。ウォルフガング・シュナイダーハンもまたブラームスのヴァイオリン協奏曲で共演した模様である・・・89ページおよび91ページでの言及に関係すると思われるが、しかし、もしかすると違うヴァイオリニストのことを指しているかも知れないし、軽々に断じることは控えておきたい。   
 また、聴衆から口笛を吹かれてしまった(侮辱的反応が出るに至った)現代音楽作品とは、はて、クレストンの "Dance Overture" なのか、あるいはヒンデミットやバーバーの作品であったのか・・・。   
   
   
 氏がクリーヴランド管を退団するまでのセルとのやりとりなど詳しく書かれてはいるが、これをスリリングと感じるか、それとも「さほどでもないな、この程度のかけひき・ドラマは世の中には、いや、音楽監督・指揮者とオケ・メンバーとの間には(特に昔の時代には)いくらでもあろう」と感じるか・・・そういう感想は読者によって分かれるかな。   
   
   
   
 111ページからは、氏がフィラデルフィア管で過ごしたときの物語へと移る。氏のキャリアとしてはこれ以降が言わば真骨頂・山場と思われるが、時間が許せば読み進んでいきたい。   
   

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://szelldocs.blog9.fc2.com/tb.php/961-2ecd7088

«  | HOME |  »

MONTHLY

CATEGORIES

RECENT ENTRIES

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACKS

APPENDIX

クラシカルな某

クラシカルな某

クラシック音楽好きです。