2017-06

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或る、架空インタビュー

   
 「え? 安保法制についての意見を、ですか? あたし、むずかしいことはよく分かんないです」   
   
 「戦争は反対ですよ、絶対ダメです。戦争を経験してはいないですけど、いろいろなお話を聞くと、あまりにも悲惨すぎるじゃないですか」   
   
 「あたしの子供ですか? 上が12歳で、下が10歳です」   
   
 「子供たちが戦争に巻き込まれることがあってはならないと思います」   
   
 「日本の領土が攻められたときですか? そういう場合は自衛隊の人とかが戦ってくれるんじゃないですか?」   
   
 「日本の存立がおびやかされるとき・・・ですか? そういうむずかしいこと分かんないです、なんかその・・・国ですか、内閣や政府ですか、そういうところでの外交努力とか、あと、自衛隊で解決してもらうとかでどうにかならないですか?」   
   
 「徴兵制への不安ですか? 徴兵制は反対です。だいたい争いが深刻になる前に、対立する両者はよく話し合うことが大切と思います、話しあえばきっと解決します。徴兵制などありえないって聞いています・・・無ければもう、それでオッケーなんですよ、あたし的には」   
   
  「ええ、もちろん、たとえ子供たちが成人してからであっても、あの子たちが戦争に巻き込まれることがあってはならないと思っています。自衛隊の人が戦ってくれるんじゃないんですか? まして、あの子たちが、日本でない他国の地での戦争に動員されることなどあってはならないと思います」   
   
 「え? 国民の権利と義務ですか? 権利のことしか考えたことないです、すいません」   
   
 「子育て上の悩みですか? 特には無いです。理想の子育て環境についてですか? あ、それはいっぱいあります・・・えっと、まず、子供がお医者さんにかかったときの医療費は成年に達するまで無料にして欲しいですよね、これは全国一律で実現されるのがよいと思います。あと、幼児教育、幼稚園や保育園の関係での親の負担がゼロになること・・・それから、学校の給食費とか、何かちょっとしたことの教材費とか遠足の費用とかの負担もゼロにして欲しいです。いま、子育てって、負担を親に求めるのではなく、社会全体で負担すべき時代になってると思うんです」   
   
 「高校の授業料の無償化に加えて、大学での奨学金制度がもっと充実してくれるとよいと思います。親に負担を求めたり、学生がアルバイトする必要があったりとか、いけないと思うんですよね、国や社会、みんなが支えないと」   
   
 「うーん、親の負担って、いま、小さくないと思いますよ。うち、子供がまだ小さかった頃、子供を預かってもらうのがむずかしくてコンサートとか映画とか、諦めること多かったですし・・・ああいうの、よくないですよ、生活が暗くなっちゃう・・・いまだって、やっぱり子供を育てる経済的負担があるから、たとえばオペラに行けてもS席をあきらめてB席にしたりとか、あと、それから旅行でもグルメでも存分に楽しめないじゃないですか・・・地中海クルーズとか、一体いつになったら楽しめるのって感じで、待ち焦がれているうちに歳とっちゃいそう・・・クルマも国産車でガマンするしかないですし、スゴイ気分が沈んじゃうんです、うつ病になっちゃうかもなレベルです」   
   
 「子供たちのことを考えても、いえ、あたし自身もそうですが、戦争とは無縁で一生を過ごせることって大きな、奇跡的とも言える幸せだと思うんです。老後も子供たちとは仲良く接したいな、過ごしたいなって思います・・・あたしって、本当にささやかなことしか願ってない、そんな女なんですよねー。国の安全は自衛隊が守ってくれます、日常の治安は警察が守ってくれます、ほか、消防とか、救急車とか、あと、消防団の人とか、すごい頼れるじゃないですか・・・日本ってすごい国ですよ、頼りになるものがしっかりしていて・・・こんなに恵まれた国に生まれて幸せだと、あたし、思っています。え? 将来、子供たちが消防団に入る可能性ですか? ああいうのって意外と忙しくてハードそうで、プライベートの時間とか削られてしまいそうですよね、子供たちには絶対すすめないです」   
   
 「公的年金制度、医療保険制度、介護保険制度などの抜本的見直しって必要だと思ってるんです。あたしの子供たちが働くようになって、何て言うんですか“現役世代”というものになっていくじゃないですか・・・あの子たちの負担って、すごく重くなると思うんですよね。せっかく育ってくれて、でもそれなのに、あたしのためにでなく、よその親や年寄りたちのためにもなんて言ったら、負担が本当に大きくなってしまいそうですよね。そういうことを子供たちに求めてはいけないと思うんです、あたしの子なんだし、あたしが育て上げたんだから、あたしのためにって思うわけですよ、自然な考え方じゃないですか・・・社会保障制度などを改革しないと、いまの子供たちが成長したときには負担感で疲弊し、世の中もおかしくなると思います。あたし、最近よく、政治家になろうとか思うんですよ、けっこう社会の枠組みとか、あり方とかに敏感で、すんごい画期的な意見とか飛び出すんですよね、日本の明るい未来に貢献できるかなって、よく思うんです」   
   
   
 ・・・以上、架空のインタビューであった・・・日本の未来は明るい?   
   
   
   
   
 もともとは、「足かせの 多きを喜ぶ 売国奴(ばいこくど)」という一句で始めて、上とはぜんぜん違う展開の架空インタビューを書き上げるつもりであったのだが、展開がそれてしまった(なお、もちろん、「足かせ」を多くしておくことを望む人の多くは決して「売国奴」などではなくそれこそ真摯に、長期的視野に立ちながらの日本のあり方を、また、過去の戦争を、今後につなげるべき矜持というものを考えておられることと信じている。しかし、日本の領土・領海などの確保・保全にあまり関心を寄せずただ単に戦争回避のことばかりを念頭に置いている人もいるようではある)。   
   

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クラシカルな某

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