2017-05

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セル、「英雄」のリハーサルに関して

   
 セル来日時の、ベートーヴェン/「英雄」のリハーサル・・・セルの喋りの内容を日本語にしてみた(このリハーサルは大阪の会場でのものらしく、セルも関西弁で話している・・・いや、それは冗談だが)。   
   
 なお、聞き取り違い、翻訳ミスなどがありえると思う(時間の都合ゆえに、スコアと照らし合わせることをしていない)・・・誤りなどについての気恥ずかしさを紛らすためにエセ関西弁での翻訳としたのだ(笑)・・・で、その関西弁の間違いや不自然な個所についてもまた、ご容赦のほどを。   
   
   
   
 「さ、ええかなー。第1楽章の最初の3小節を」   
   
 「準備ええか?」   
   
 「ちゃうで・・・(ヴィオラ・パートで)誰かBフラットの音を先走っとる(フライングしとる)モンがおる。いち・に・さん、いち・に・さん、・・・こないな具合にやってな・・・わんっ、わんっ、2つ目の休符のあと弓を揺らし持つようにしときなはれ。コントロールしてな」   
   
 「も一度、この3小節だけやりまひょ」   
   
 「よろしい。も一度この楽章の最初の3小節をやってもらえるかな、そのあと、第2楽章の冒頭を。とーっても大事なことはな・・・(第1楽章冒頭の)2度目のトゥッティが炸裂したあと、(ヴィオラ・パートの)居並んでる8人がおじぎ状態になってしまっとるけど(※)、すぐ次の準備態勢に入っとるように、そんでもって、(トレモロを構成している)8分音符をおじぎ体勢から演奏し始めてはあかんのやで」   
   
 ※セルは、「お辞儀する(こと)/頭を垂れる(こと)」の意味の動詞・名詞の "bow" を「ボウ」とも「バウ」とも発音しているものと解した。   
   
 「あかん、もっとコントールせにゃ。・・・そやそや、(レコーディングの磁気テープに生じることのある)ゴースト現象のように(先走りの)音を発してしまう演奏者たちよ!」   
   
 「第2楽章の冒頭を・・・だらだらっとした演奏にならんように、そして、デッドな響きで」   
   
 「準備ええかな?」   
   
 「ええなあ。第5小節で・・・ちょい悲しげに・・・小さい音符をちょい長めに。~みたく演奏せんといてな、そんなんだと、いきなり随分と陽気な表情が覗く音楽になってまうからの」   
   
 「ええなあ。小さい音符のところでほんのちょい歌うようにして。・・・よろしい」   
   
 「ええよ・・・よろしいなあ・・・よろしい、この楽章の、ほんまに最後んとこ、次の楽章のスケルツォへ移っていく個所のところへ飛びまひょ」   
   
 「(スコアをめくりながら)何小節あるんやろ・・・ぎょうさんあり過ぎるもんやから。・・・ティン、パン、という個所を不十分なあんばいで演奏してまう人がいるかも知れんのでな・・・練習番号Hの1小節前のところへ・・・えっ、何? 2回以上ありまんがな・・・コンサートあるところ、平和/平穏というものはあまり来よらへん(※コンサート中に現在演奏中の個所がどこであるか混乱したことがあるかどうかとか、そんな話題なのであろうか。分からない)・・・大したユーモア感覚やねん・・・練習番号Hの1小節前のところを」   
   
 「C音が4回・・・C音が4回、Aフラット・・・技術的にとても複雑や、覚えといて・・・あ、いやいやもうこの部分の練習の必要はない・・・最後の2小節のところへ行こう。最後の2小節のところ(の前)までは完全に皆さんを信用しとるんでな」   
   
 「もう一度、同じように通してみよう。(第2楽章の)最後の2小節から」   
   
 「よろしおます。・・・トリオに先行する(スケルツォの)2度めの終結をするその4小節前のところから。・・・ちょい待ってな、2分音符がちょい長過ぎとる・・・スピードが落ちてるんかな、2分音符が長く保持され過ぎとる。・・・えっと、どこや、2度めの終結をするところから。ホルンには(負荷がかかるから)あんまりぎょうさん吹かせたくないねん、もう1回だけ出来るやろ」   
   
 「フィナーレの最初のところを。最初のところと、変奏のところをちょい。・・・えっとなあ、えらい細かい注文つけにゃならんけど、いま sixteen(th) ××を××みたく演奏しとったけど(※意味不明)、~と演奏するんやのうて~という具合にせにゃ。ほんまにとてもちっちゃい違いや、そやけど違うとるねん。ヴィオラの変奏の後半の前の~の個所からやれるかな・・・そうそう・・・」   
   
 「最終テンポのところへ、最後のプレストに入る2小節前のところへ・・・うまく終わらせよう・・・最後のプレストに入る4小節前のところへ・・・入札は締め切られたゆう感じやな(※リハーサル時間枠には限りもあるし、この曲についての練習・おさらいなど出来る限りのことは為したので「あとは天命を待つ」的な意味合いか。公共工事入札またはオークション入札における、入札までの諸検討プロセスを念頭に置きつつセルはこのような言葉を比喩として発したのではあるまいか。なお、セルは美術品のコレクションもしていたのでオークションというものにわりと慣れ親しんでいたかも知れない。)」   
   

コメント

コメントをありがとうございました

 セル来日時のリハーサル音声では、よく聞き取れない個所がちょこちょこあるほか、意味内容に確信が持てないところもあるのですが、とりあえず「こうではあるまいか」と考えたものをブログ記事としてアップしました。   
 ダニエル・カール氏のように標準語に加えて山形そのほかの幾つかの日本の言葉を操れるわけではありませんので、今回の関西言葉はもちろんニセモノな関西言葉であります。

これは懐かしい!

実に43年ぶりにセルの肉声を聞いたような感じがいたします(^o^)/
関西弁というのもよろしいですなあ(^o^)/
謹厳な印象のジョージ・セル御大が、「ちゃうで」などと言っている様を想像すると、楽しくなりますね。

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クラシカルな某

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