2017-03

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ビジネス・リスク対応講座「謝罪広告、かくあるべし」(なんちゃって)

   
 平素は格別のご高配をたまわり、厚く御礼申し上げます。   
   
 さて、当社レストラン・チェーンでご提供してまいりました以下のメニューのなかに不適切な表現などあることが判明いたしましたので、ここにお伝えし、皆様にお詫び申し上げます。   
   
   
該当メニューその1:「うな重・お楽しみプラン」   
   
 このプランにつきまして、「特撰の国産うなぎを使用」、「ご飯は、こだわりのコシヒカリ(国産)」と書き添えておりましたが、先般、うなぎ・コメそれぞれの納入業者より「実は、うなぎは国産ではなかった」、「コメには相当量の輸入米が混入していた。ただし、国産コシヒカリを中心とするブレンド米であるため食味水準は優れている。なお、コメの選択にあたって“こだわり”と呼ぶほどのことはしていない」等の連絡を受けました。   
 当社に非はございませんが、しかしながら皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを思えば心苦しくてなりません。この事態を真摯に受け止め、納入業者になりかわって、ここに慎んでお詫び申し上げる次第でございます。   
   
 また、前菜につきまして「鮮イカおつくり(スルメイカ)、または季節により、朝採れ・朝茹でホタルイカ」と表示しておりましたが、主としてスルメイカ以外の、冷凍イカが用いられておりました。また、ホタルイカにつきましてはボイル後に冷凍されたものが常用されておりました。ただ、いずれも、お客様に安心して召し上がっていただけるものばかりでございました。   
   
 さらにまた、デザートにつきまして「手づくりワラビ餅(宇治茶サービス)」と表示しておりましたが、ワラビ餅は手づくりではなく機械で生産されたものを仕入れて利用しておりました。また、お茶は、特に宇治茶を選んで使用することはなかったことが判明しております。ただ、いずれも品質上の問題など無いこと勿論で、この点につきましてもどうぞご安心下さいませ。   
   
   
該当メニューその2:「打ちたて・茹でたて 絶品手打ち十割そばの味わいプラン」   
   
 このプランにつきまして、機械生産による乾そばが常用されていたことが判明いたしました。また、そば粉使用割合は約42パーセントのものでありました。   
 このようなそば粉含有割合の麺も「そば」と呼ぶことは業界の基準に適合するもので、当社としましては問題はないものと理解しておりますが、メニューにあります「打ちたて」、「手打ち」、「十割そば」の表現と相容れないと感じるお客様もいらっしゃるのではないかと懸念しますので、この点、お詫び申し上げます。   
   
 また、前菜として「越前ガニ入り、北海道カボチャのポタージュ」と表示しておりましたが、越前ガニの入手が困難であることが度々で、いわゆるカニカマを使用する場合が多々ございました。また、カボチャは主として輸入ものでありました。皆様からは「美味しい」とのご意見が多数寄せられ、わたくしどもとしては「心をこめて作ることの大切さと喜び」を感じておりましたが、メニュー表示に不適切なところがありましたことは否定できず、お詫び申し上げます。   
   
 さらにまた、デザートの「沖縄産黒蜜で楽しむ、国産厳選そば粉のそばがき」についてでありますが、まず、黒蜜は、輸入ものの黒糖を用いて当社調理スタッフがつくったものでした。熟練スタッフが心を込めて手掛けたものでその出来栄えには絶対の自信を持っておりましたが、メニュー表示が不適当でありましたことをお詫び申し上げます。次に、そばがきに使用されたそば粉は国産でなく、すべて輸入ものであることが判明いたしました。しかし、たとえば小麦粉などが混入されたような事実は一切確認されず、そば粉100パーセントの、いわば本物の味わいをご堪能いただけたものと自負しておりますが、メニュー表記に不適当なものがあったことは認めざるをえず、心より陳謝いたす次第でございます。   
   
   
 以上の原因は、納入業者の不誠実さに基づくものが最たるものでありますが、同時にまた、当社側においてもメニュー開発・仕入れ担当・調理担当・その他の相互連携に不備があった模様で、現在、詳細を調査中であります。   
   
 皆様におかけしたご迷惑につきまして、幾重にもお詫び申し上げます。  
   
 当社におきましては、創業以来のモットーであります「本物の素材と卓越した技とが奏でるコンチェルト、まごころと舌鼓のラプソディ」の精神に立ち返り、今後ともお客さまのご満足、安心、笑顔のために、また、当社に対する信用・信頼にもとることのないよう、誠心誠意の努力を不断に続けてまいる所存でございます。   
   
 すべての料理素材その他は当社が独自に定めた厳格な品質基準にもとづいて検収合格した優良品でありますことから、ご利用いただいたお客様に対してお食事料金の返金その他の対応はいたしかねますが、せめてものお詫びのしるしとして来夏には「厳選の天然アユ・お楽しみコース」を特別料金でご用意させていただくべく検討中でございます。ご期待下さい。   
   
    
 ・・・たいへん気持ちのよい謝罪広告であり、「すみやかな謝罪をすることで、かえってその企業のイメージ・アップにもつながりうる」ことの模範文例と言えよう・・・お客・消費者の心からはすべてのわだかまりが消え、企業サイドは信頼を回復し、もちろん、天然アユのコース料理にお客が殺到すること間違いあるまい。(笑)   
   
   
 以上は、何かの具体的な謝罪広告にヒントを得てのパロディではない。しかし、最近、ウナギやコメの産地偽装の件(いや、最近ばかりではいが)、ホテルでのメニュー誤表記の件などいろいろあって、「もう何があっても驚かないもんね」的感覚はいっそう強まった。そして、そのような事件では、謝罪の言葉に潔さを感じないことかしばしばある・・・というわけで、「もしも、こんな謝罪広告があったりしたら」などと思いながら綴ってみたまで。   
   

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