2017-08

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「つけ麺」と「つけペン」を巡るパラドックス/その1

   
 筆記具のことがちょっと気になって調べることがあったが(具体的には、万年筆での利用を想定した顔料インクの商品ラインナップを知ろうとしたのだが)、そのときふと頭をよぎったのは・・・いま、ガラスペンを使う人ってどのくらいいるのかなということ。利用シーンのほぼずべてが趣味的なものだろうけど、一応の手堅い人気はあると言えるのか。   
   
 ガラスペンほか「つけペン」類の、今日的メリット、レゾンデートルのひとつは、好みのインクをとっかえひっかえ楽しみやすいという点であろう。ペン先の洗浄や交換が容易。万年筆では、いったん或るインクを入れてしまうと(カートリッジ式ならばカートリッジをセットしてしまうと)、別のインクを使う前にやはり万年筆の水洗いなどしたいし、そのあと(必要に応じてペン先に紙や布を当てたうえで)ペン先とは別の部分を握りしめ、遠心力で万年筆内の脱水をすべくブルンブルンと振り、それから乾燥させる手間・時間が必要になってしまう(万年筆を数本併用していると話はまた違ってくるが)。   
   
 いまどきのガラスペンは、デザイン的にずいぶん美しいものが多いなあ。   
 筆者が初めてガラスペンを目にしたのは小学生のときだが、のち、中学生・高校生の頃に、機会あるごとにペン軸やペン先をちょっとずつ買い集めた。商品性の面ではもう終末期にあるといった感じで、店によってはうっすらホコリをかぶっており、一部の店では投売り状態・不良在庫処分のごとき扱いにあった・・・記憶はあいまいだが、ペン軸250円、ねじ式のペン先は6個くらいで150円とかもあったように思う。ペン軸にはセルロイドがあしらわれていたりで野暮なデザインという印象を受けるものが多かった。ガラスペンなど常用するわけないと思ったが、あのペン先はすぐにも擦り減ってしまうのではないかと懸念してペン先はずいぶんたくさんストック買いした。脱脂綿を敷き詰めた箱のなかにしまいこんだ。「そうめん」や和菓子の箱に保管したことを覚えているのだけど、実家のどこかに眠ったままだ。   
   
 しかし、ガラスペンを頻繁に手に取る時期も確かにあった。   
 経済学・経営学系では、ゼミのレポートやレジュメ、卒論などは文章以外に数式のオン・パレードだったり、あるいは簿記実習では昔ながらの(いまや古典的と評して良さそうな)帳面に数字を書き入れる練習問題などさせられたのであった。   
 当時はワープロ専用機やパソコンでものを書くなんてことはなく、すべて手書きであった(一部、表彰もの的扱いを受けたりするレポート・論文は教授の研究費かポケットマネーで生協にて活字印刷してもらえる栄誉もあったが、ベースになる原稿はやはり手書き)。ゼミのレジュメなどで文章以外の数式をガラスペンで書くと、(筆者的な感覚では)とても美しい仕上がりを実現できた。文章はシャープペンで、数式はガラスペンでしたためたものを原稿・版下とし、コピーマシンで必要枚数コピーした。あるいは簿記実習などでも小さな数字を、線も細くきれいに書くことができた。ガラスペンは大いに役立ってくれたのである。   
   
 その後は、遊びがてらにたまに取り出すだけで、いつしかガラスペンは使わなくなってしまった。   
   
 まあ今の時代、遊びや趣味の筆記具・・・だろうなあ。   
 しかし・・・ 万年筆であれば、たとえ筆圧が弱くてもペン先は微妙にしなうとみえて、書く文字には味わいが生まれる。それにひきかえ、ガラスペンの文字は線がきわめて細いのに加えて無表情を保つ。これで「どうもありがとう」なんて書いたって、その感謝の気持ちの微塵も文字に浮き出ない・・・と筆者は感じる。夏の、涼しげな暑中見舞や残暑見舞の挨拶を2、3行書くには良さそうなんだけど。   
   (注: 下の写真は過去の使いまわしであり、これはガラスペンではない)   
   
   


コメント

コメントをありがとうございました

 コメントをどうもありがとうございました。   
   
 わたくし自身は、インク色のあれもこれもというより、「美しいと感じられるブルー」のそれぞれの個性差を楽しんでみたい気持ちが昔からあります(ふだんはブルーブラック系を使っていますが、本当に好きなのはブルーですので。もっとも、一番利用している筆記具はボールペンなどですが)。   
   
 突飛な色は別として、「焦げ茶」やそれに近い色は私的利用シーンでは案外と良いと思います。少量で売られているいろいろのインクを、さらに別の小瓶に取り分けてたとえば「茶色に配合する黒をもっと多く」などと遊んでみたい気もしますが(利用は「つけペン」か超廉価万年筆への注入に限りたいところですが)、実行すればこれはもうオタク的なものでしょうね。   
   
 一時期、朱肉に凝ったこともあるのですが、文具はどうもキリがなく・・・現在はけっこうサバサバと付き合えるようになったと思います(それが良いことかどうかは分かりませんが)。   
   

ガラスペン

付けペンは使ったことがありますが、残念ながらガラスペンは使ったことがありません。カラフルなインクが豊富な今ならば、付けペンも楽しいでしょうね。ただし、手書きの場面が、ブログの素材として演奏会でメモを取るなどの場面が主体で、日記代わりの備忘録もテキストエディタで記録する始末です。どうも私の場合には、カラフルなインクの活用場面が見当たらず、困ってしまいます(^o^;)>poripori

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クラシカルな某

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