2017-08

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注解「こんにゃく物語集」

   
 このブログに5年ほど前に書いたものを少し手直しして再掲(文法的なことも含めておかしな個所もあるだろうけど、ま・・・):   
   
   
 これも今は昔、唐土(もろこし)も天竺(てんじく)も遥かに超ゆる西の地に「へ理屈を愛(め)でる僧、バトル爺(じい)」といふ者ありけり。生まれし家は富みて金貸しなどせしが、この者、音曲などに才ありて「真夏乃夜乃夢」なる管絃の音曲も書き残しをり。   
   
 (注)「へ理屈を・・・」の名前は、どうやら作曲家メンデルスゾーン、すなわち「フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ」の名前が訛(なま)って日本に伝えられたと考えられる。   
   
   
 時うつろひて、これも西の地に「真新(まあら)」と呼ばれし者ありけり。思へらく、書きし音曲のはなはだ新(あらた)しきばかりがゆえに人々「こは、まことに新し」と言ひ合ひしうちに、後ざまには「真新」と呼びたるらむ。   
 バトル爺の音曲「真夏乃夜乃夢」の奏されるを聴くことありて、そのうちの「祝言の儀に際して歩を進む」なる音曲に目を輝かせしが、そのはじめの調べをいぢることを思ひ立てり。真新、「かくてこの調べ、祝言の儀のものとならず。弔ひ葬送の調べを見つけたり」と言へり。   
 真新、この葬送の調べを気に入りしが、第五交響曲のはじめにも置けり。   
   
 時、さらにうつろひて真新も死してのち、第五交響曲を聴きし男、「こはバトル爺の調べをいぢりしものか。真新殿の御霊に尋ねたし」と思ひ立てり。   
   
 いよいよ墓参するに、にはかに空かき曇り、風あやしく吹けり。   
 姿は見えねど歌詠む声の聞こえたり。   
 「あしひきの 山どりの尾の しだり尾の 長き調べの 謎な調べそ」   
   
 (現代語訳および注)「(わたしの作曲した第5交響曲は長大な作品であるが、その)長い音楽に潜む謎を調べてはいけない」 2つの「調べ」という語を異なる意味で用いている点に工夫があるほか、歌の後半で「な」の音を多用することにより調子を整えている。   
   
 男、をののきて後ずさりするも、返しせむとて詠める、   
 「あしひきの 山かけ蕎麦に 舌つづみ つゆも思はじ 謎解かむとは」   
   
 (現代語訳および注)「山かけ蕎麦は美味しいですね、その山かけ蕎麦の“つゆ”ではありませんが、あなたの音楽に潜んでいるかも知れない謎を解き明かそうなどとは、つゆほども思ったりしません」 恐ろしさに負けず返歌を詠んだことには感心するが、しかし、食いしん坊であることが丸見えなのが情けない。   
   

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クラシカルな某

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