2017-09

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雑記

   
 前回のブログ記事で紹介しきれなかったものとして講談社現代新書の「未来の年表」という新刊本がある。少子高齢化・人口減少の問題を抱えた日本について、その未来像を時系列的に見ていくことをテーマとしつつ、問題解決のためのヒントを示した本。   
   
 個人的な感想としては、少し漠然としながらもずっと懸念・不安を覚えて来たことが記述されている部分が多く、「新鮮味」・「新鮮な衝撃」を感じることはあまり無かったのである。ただ、163ページあたり以降に「気づかされる部分」が見受けられるかな・・・それらについては、読者それぞれに「自分は、これとは違った提言をしたい」との感想も生まれようが、それはそれでよいではないか、世の中の/将来の可能性・選択肢についての議論は活発になるほどよろしかろう。   
   
 興味を覚えたもののひとつとしては、社会保障制度に関して各人が公費から享受したものを死後に返還させるというアイデアである。もしかすると筆者の余計な補足・誤解が混じってしまうかも知れないが、要するに、医療でも介護でも、受けたサービス中、公費負担であったと見なされる金額については、本人の死後、(その遺産総額を限度としてという条件を付けつつ、かな)、遺産から国庫へ返納してもらうというシステムと解する。   
 著者は上のようなシステムを「相続税の発想を根本から改めて」と言いながら紹介している・・・で、それは何を意味しているのか・実際のシステム運用がどのようにされるべきか、読者としては考えを整理しにくいかなあ。上のような返納は全国民(すべての故人)について行われるのが適当と筆者は思うが、相続人らによって返納手続がきちんと正しく行われるためには、「全額を返納しきることが出来ない被相続人(故人)」に関しては「遺産全体はこれこれであり、したがって、それが返納可能な金額である」との明細・計算書の届出・申告がされねばならないし、また、関係する役所はそれについての調査権限を有する必要があろう。   
 また、返納額を差し引いたのちの残額が一定以上の場合には別途に(既存の税であるところの)相続税の申告・納付が必要ということになろうかと思うが、しかし、著者としては相続税の制度全体までも変えてしまうことを提言したいのであろうか。   
   
 国民の理解が得にくいものであるとは思わない。マイナンバー制度がしっかり機能していけば、また、税務当局との連携が或る程度まで可能になり(故人の従前の確定申告データ等や、市区町村役場の住民税関係データに関して)、そして国民の良識的な協力を得られるならば、それなりには功を奏して日本の財政状況に対して相当程度のプラス効果をもたらすのではないか。   
   
   
 ・・・・・・・・・・・・   
   
   
   
 ところで、話は脱線するが・・・筆者個人的には次のようなことも考えてしまう。   
   
 1. 「今ある、言わば標準とも言うべき健康保険料と自己負担割合の制度」とは別に、各人が選択可能な「割安な健康保険料であるが、しかし、自己負担割合が5割とか6割とかになり、高額療養費をカバーしてくれるラインも少し上がってしまう制度」を設けるのはどうか(どちらの制度を選ぶかは、毎年一定時期に各人が選べることとする)。これは、「医者にかかることが滅多に無いのに、健康保険料を払っても払っても、ちっとも自分のためになっていない」と不満を覚えている人のためである・・・健保組合から「この1年間、あなたとご家族はお医者さんにかかりませんでした、ここに感謝状を差し上げます」とか言われたってさあ、筆者としては「こんな賞状、要らねえよ」と思ってしまうのだ・・・宛名はプリンター印字でなく上手な手書きであるからして、筆耕を外注しているのであればそのコストもかかっているであろうし、賞状を収める筒まで寄越すし・・・健保組合は「乾いたぞうきんをさらに絞る」というコストカット意識をあまり持っていないのかな。他方、一緒に頂戴する記念品は、昔は豪華だったのに、そのうちに「100円ショップ商品の詰め合わせかいな?」とツッコミをいれたくなるようなシロモノになり・・・うむ、なるほど、ちゃんとコストカット意識はあるのか(笑)。あ、いや、健康で過ごせていることに感謝しなければならないのであるが、でも、正直、「健康保険料、とられ損」という感覚を追いやることが出来ない。   
   
 2. いくら時代遅れと言われようとも「親の介護は家族で」との考え方を捨てられない人たちは少なからずいる。ホームヘルパー、デイサービスを多少は利用しながらも、ケアマネジャーさんらの提案を100パーセント受け入れる気にもなれず、あるいは、ベッドや車いすを介護保険制度上のレンタルでなく購入の形で利用する人もいる。結局、要介護者が負担する・負担して来た介護保険料に見合ったサービスを受けないケースがあろう。ここに矛盾というか、少なくとも「気持ちの上で生じる矛盾感」というものが存在する。これを解消してくれるような制度があって然るべきであろう・・・が、しかし、「親・舅・姑の介護は息子・娘・嫁がやらずに他の、赤の他人のプロフェッショナルに任せよ。介護・育児を理由として家庭にしばられることに妥協し、外の社会で活躍しようとしない女性は悪女である」と主張する勢力も世にはあるしなあ。   
   
   
 様々な提言がされようと、制度設計を変えるには試算の作業も必要であり、国会の審議なども必要であり・・・きっと何も変わっていかないだろうなあ。   
   

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