2017-08

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これもまた、セルのモーツァルト



   
 セルは、モーツァルトのフルート協奏曲第2番ニ長調(K.314)をチェロ協奏曲に編曲している。   
 ただ、しかし、その第2楽章についてはディヴェルティメントK.131を引っ張って来る(活用/採用する)こととした。   
   
 ・・・というように理解している。   
   
   
 写真の左側手前のCDは以前にも紹介したことがあり、チョウ・チン(チェロ)ほかの演奏によるもの。ここで演奏されているカデンツァもまたセルの手によるもののようだ。   
   
 同じく左側の、その上に写し入れたものはソル・ガベッタ(チェロ)ほかの演奏によるもの・・・ここでは、第2楽章も、そしてカデンツァも、 Sergio Ciomei 氏が用意したものが使われているという・・・第2楽章についてはモーツァルトのオーボエ協奏曲に基づいているとのことである。   
   
   
 というわけで、セル・ファンとしてはどちらかといえばチョウ・チン盤をひいきしたくもなるわけだが、ともかく、ひとりの鑑賞者として「演奏を聴いて、その演奏をどれくらい楽しめるか/それで豊かな気持ちに浸れるか」という点で評価しても、やはりチョウ・チン盤に軍配が上がるように思える。   
   
   
 さて・・・。   
 ガベッタ盤(輸入盤、 88697547812)のライナーノート(封入冊子)でモーツァルトの協奏曲についての注記のうち "1. Satz & Kadenzen" とあるのは、正しくは "2. Satz & kadentzen" であろう・・・併記の英語・フランス語からしても、また、解説文からもそのように考えられる。ハイドンの協奏曲についての注記にも同様の、校正ミスかと思われるところがある。     
 ほか、このライナーノートには妙なところがある。ドイツ人と思われる人物が書いたドイツ語の解説文において、モーツァルトのこの「チェロ協奏曲」の第2楽章についてセルやアルフレート・アインシュタインがディヴェルティメントを活用(採用)するに至ったと説明しているにもかかわらず、その英語訳およびフランス語訳にあっては、ディヴェルティメントについて何も言及していないばかりか、「K.470のヴァイオリン協奏曲のアンダンテ」を活用することとした旨が書かれているのである。ガベッタ盤の第2楽章の演奏内容は先ほど述べたとおりであるからして、この盤に限ってこの説明個所は鑑賞者としては「どうでもよい」と感じる向きも少なくなさそうではある・・・だけれども、上の英語訳やフランス語訳を読んだだけの人にとって、「それならば、チョウ・チン盤の第2楽章で演奏されているあのディヴェルティメントは何なのよ? それはセルらのアイデアと無関係なわけ?」という疑問も湧かぬではない? ちょっと気持ち悪い・収まりの悪い思いをさせられるか。   
   


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